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zoom RSS 乗車ルポ 285系 “サンライズ出雲”の11時間58分 VOL2

<<   作成日時 : 2010/08/21 01:25   >>

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06:27に岡山到着(岡山までの模様はこちら)。ここで“サンライズ瀬戸”と“サンライズ出雲”の2列車に分割する。わが、“サンライズ出雲”は6:34発と“サンライズ瀬戸”よりも後発なので、分割シーンを見学することが出来る。

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285系の分併装置は681系を基本としているようだ。253系“成田エクスプレス”のように、幌連結・収納まで自動化する例もあるが、285系は手作業による部分も多い。分併は1日上下1本ずつのみなので、自動化するまでもない。連結部分は、夏休み中ということもあり、ギャラリーが多い。

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“サンライズ出雲”は列車番号を4031Mに変え、伯備線を進む。ただ、走りは山陽本線を走っていたときに比べて、ややトーンダウンする。285系は振子制御を持たないので、曲線の多い伯備線内を、381系と同じようには進めない。寝台車は車両限界の限界いっぱいの断面を必要とするため、振子制御を付けると、建築限界に抵触する。285系に振子制御が搭載されていないのは、ある意味、当然なのだ。ちなみに,筆者は新見以北の伯備線初体験であった。

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車体断面いっぱいと言えば、階下室にいると、車体がホームに接触しやしないかと、ヒヤヒヤさせられる。もちろん、ミリ単位できちんと管理されているため、接触しそうでしないのは分かっているが、何かの拍子に、車体が大幅に振れたり、傾いたりしたら、階下の乗客はアウトである。夜が明けたら、列車が駅に到着する度に、目の前に迫るプラットホームのスリルを味わっていた。

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昨晩、車内改札の際にレチさんから求めたシャワーカード。もちろん、忘れていたわけではございません。倉敷を出た辺りで、シャワーを浴びることにした。シャワーカードは310円。列車内でシャワーを浴びるのは、1996年夏の24系“瀬戸”の車内以来だから、14年ぶりで、これもまた、楽しみの一つであった。

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服を脱ぎ、いよいよシャワーを浴びる。お湯の勢いも申し分なく、ここが列車内であることすら、忘れさせる。1回分は6分間だが、足りないように思えて、成人男性には充分な量で、筆者は残り1分を持て余した。シャワー室は車端部にあるが、揺れはなく、立ちながらでも、安心してシャワーを浴びられた。前述の、24系“瀬戸”で体験した際は、揺れが酷く、シャワー室で滑って転倒した。しゃがみながら、無我夢中でシャワーを浴びたのを思い出す。

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ところで、湯温調節を何度も試みたが、とうとう好みの温度にならず、水はやや冷たかった。夏なので、飛び上るほど冷たい思いをしたわけではないが、冬なら考えてしまう。シャンプーとボディソープは備え付けられていて、わざわざ用意する必要はない。脱衣所にはドライヤーもあり、家庭などで普通にシャワーを浴びる感覚と全く同様で、列車内という制約による不便は、何一つ感じなかった。

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次の人のためにある、シャワー室洗浄ボタンを押すと、シュワ〜、ドスン、ボトンという、派手な音が聞こえてきた。不意に聞えて来たその音に、思わず1人で笑ってしまった。

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シャワー室まで足を運んだついでに、車内を見てまわる。国鉄時代の寝台列車は、無機質で金属の地肌がところどころに露わになっていた。でも、それが当たり前で、特に不満にも思わなかった。しかし、285系は列車内という制約をまるで意識させない、素晴らしい構造で、しかもこれが、艤装スペースなど、客車と異なりさらに制約を伴う電車なのだから、あっぱれ!

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285系に食堂車があれば、長距離営業が可能となり、別の列車に仕立てることも可能だ。電源車を用意すれば、交流区間や非電化区間も機関車牽引で入線することが出来る。毎日運行とはいかなくても、週末だけ、夏休みや年末年始期間だけなら、乗車率も決して低くはなかろう。閑散期間は予備として運用すれば良い。

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↑ 285系デビュー当時 品川駅で行われた展示会での一コマ

285系のデビュー当時、夜行列車は減少傾向にあり、既に斜陽産業と化していた。そんな中で、285系の登場は本当に明るい話題で、誰もが“瀬戸”や“出雲”以外の列車に、285系を運用出来ないかと、あれこれ夢を描いた。

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↑ 予讃線・海岸寺−宅間間を行く285系“サンライズ瀬戸” 多客時の延長運転の際に見られるシーン

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しかし、デビューから10年以上が経過した285系が、“瀬戸”と“出雲”の他に活躍の場を拡げることはなかった。予備車を使用した“サンライズゆめ”も、ここ数年、運転されておらず、多客時に行われた“サンライズ瀬戸”の松山延長運転も、最近は見られない。これらは「縮小傾向」とはまた違うが、285系もかつてほど持て囃されなくなったことを意味しているのか?

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数年後には、アコモの更新時期を迎える。今のところ更新を必要とする箇所はなさそうで、現状維持のままで良いように映る。これは、内装に住宅メーカーが関与しており、まるでマイホームのような、アットホームな客室仕様であるため、このままで良いだけでなく、寧ろ、変えないでくれ…とすら思ったりする。一方で、営業施策上、イメージをガラリと変えるリニューアルが施されるのではないかと、ちょっとだけ期待してみたりもする。

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前述のように、“えきねっと”では“サンライズ”の寝台券を確保出来ないため、「気軽」というわけには行かないが、廃止の波に飲まれる寝台列車の中で、新形式車を興してまで、現在も安定した利用客を確保している、異色の存在だ。285系の末永い活躍を願う。

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シャワーを浴びて、個室に戻ると、あらら、やることがなくなってしまった。でも、せっかくなので、部屋の中でのんびりと過ごそう。時折、レチさんの観光案内が入るが、大山も宍道湖も、筆者の個室とは反対側で、残念ながら見えない。

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ここで改めて、筆者が利用したシングルの個室内を見てみる。個室内はとても良く出来ており、日中でも難なく過ごせる。夜とはまた違った雰囲気で、陽が射し込む明るい部屋という印象だ。これが列車内であることが信じられないくらい静かで、筆者の自宅の部屋なんかよりも、勉強や読書など、よっぽど集中して取り組むことが出来そう。シークレットルームに打ってつけだ。こういう部屋、欲しいと本気で思った。

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09:03米子着。構内には貨物用の電機や、ローカル用のキハ47など、多くの車両が止まっており、楽しそう。09:13、米子に続き安来にも停車する。線路に迫る日立の工場がいつも印象的な駅だ。

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09:30に松江に到着。実は、筆者はこの後一畑電車の乗り潰しと撮影を予定おり、本当は、松江で下車して一畑電車にアクセスした方が、撮影出来る列車を数本多く確保出来るため、最後まで迷った。でも、やっぱり、“サンライズ出雲”には、起点から終点まで乗り通してみたいという気持ちから、一畑電車には、出雲市から入ることにした。

レチさんが、出雲大社の観光案内を始めた。終着駅・出雲市駅は間もなくだ。中国JRバスの営業所には、島根名物のバスである“ブルドック”がいるのが見えた。

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東京から11時間58分。4031M・“サンライズ出雲”は953.6kmの旅を終え、09:58定刻に出雲市駅に到着した。11時間58分だなんて聞くと、あたかも長くて退屈しそうに思えるが、筆者にとっては、充実した旅路であった。後藤総合車両所へと引き上げて行く、285系の姿を見届けた。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
285系が登場して12年も経ったですね。
出た当時は、ブルートレインがどんどん電車に変わるんだと思ったが、今や東京発の寝台列車がこれだけだとわ。当時は想像もつきませんでした。今後電車化でもいいから、寝台列車が残って欲しいものです。
としおちゃん
2010/08/21 11:39
としおさん,コメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.

私は,日本海縦貫線の列車にほとんど縁がないので,一度,日本海やトワイライトで,ゆっくりと旅してみたいと思っています.

としおさんがおっしゃるように,寝台列車は,いつまでも残してもらいたいですね.

この記事は,本当は1つの記事でしたが字数制限に引っ掛かり,岡山を境に記事を2つに分けました.
ツキだっ!
2010/08/21 19:02

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