仙台市電保存館
仙台に行き、仙台市電保存館を見学してきた。
仙台市電保存館の存在は、およそ20年以上前、筆者が高校入学の春休みに仙台に旅行に行った際、ホテルの新聞で知ったのが始まりで、かねてから、機会があれば見学したいと思っていた。今回、20年越しに実現したわけである。
館内に保存されているのは、モハ1型とモハ100型、それにモハ400型の3両である。モハ100型の一部は、長崎電軌に譲渡され、今でも現役である。
モハ100型とモハ400型は、外観からは同じ車型に見えなくもないが、車内に足を踏み入れると、昭和37年製のモハ400型は、無塗装化が推進された近代的な造りをしているのがよく分かる。なにより、モハ400型の台車は空気バネで、筆者が車内に入ると、車体がふわふわと揺れたのが印象的だった。運転台にも、降車知らせボタンがあるのね。
一方、モハ100型は昭和27年製。近くに車体の高さほどの半2階構造の見学台があって、そこに登ると、屋根の様子が見られる。各地に博物館などの保存施設は数あれど、屋根に装備される各種パーツについてまで、見学が考慮された施設は珍しい。
特に、集電装置の降下紐の様子がつぶさに分かるようになっており、興味を引き、目を見張った。路面電車の集電装置は、ビューケルの走行時のはずれにまつわるエピソードだとか、トロリーコンタクターの操作の役割を併せ持つなど、高速鉄道のパンタグラフとは違う側面がある。従って、この、降下紐は重要な役割を果たすわけだが、こうして現物を目の当たりにすると、その構造はとてもシンプルで、紐もごく普通のロープだ。
流線型を意識した特徴的なモハ200型が保存されていないのは、惜しい。館内に展示されているモハ200型といえば、個人が製作された模型のみであった。
往復には、富沢駅から無料送迎車が用意されており、徒歩だと駅から12分ほどかかる道のりを、歩かずに済む。しかし、館内は空調がなく、風も吹き抜けないので暑い。見学しながら、汗が滴り落ちてくる。保存が主目的の「保存館」であり、博物館とは違うということを印象づける。だが、展示は開設を含めて充実しており、立派なパンフレットまで用意されている。見学に30分程度を見込んでいたが、気付いたら1時間以上、見入っていた。
余談だが、前述の「高校入学の旅行」とやらは、筆者にとって単独で行った初めての鉄道趣味旅行であり、仙台という地に、感慨深いものがある。その時、仙石線の陸前大塚駅を訪れているが、当時はまさか、20年後に未曾有の大災害に見舞われるだなんて、思ってもみなかった。
今回、震災後初めて仙台駅の構内に降り立ったが、駅構内は、人も設備も、震災前と変わらぬ様子を見せていた。











