Debut! 富士急行6000系
2月末に富士急行6000系が営業を開始した。JR205系がタネ車で、205系初の譲渡例である。
しかし、富士急で再起するにあたって、有名なデザイナー・水戸岡鋭治先生の手によって、205系が持つ機能性を追求しつつも、好感ある車両へと、美しく変化した。
そのため、205系は、JR時代のイメージを完全に払拭した。
いや、違う。
今まであまりにもシンプルで単調だった205系だが、水戸岡氏が205系の個性を、最大限に、魅力あるものへとクオリティアップしてくれた…というのが適切かもしれない。JR九州の485系を“RED EXPRESS”にリニューアルされたときのように、古い車両を、まるで新形式のように、美しく、今までとまるで違う車両へと甦らせる水戸岡氏の手法には、恐れ入る。
特に、485系は先頭部を中心にそれなりの造形美が感じされる意匠であるのに対し、205系といったら、国鉄初の量産ステンレス車ということで、「ステンレス加工時を意識して、余計な面取りを一切省きました」…というデザインである。ブラックファイスと額縁部分に多少の意匠が感じられるが、ステンレスボディのあまりにも機能的な全体のムードにすっかり埋もれていて、「デザイン」として映らない。
そんな、無味乾燥な205系。
引き出したくたって、引き出せる個性など全くなく、ラインカラーのテープを2本入れただけの、デザイン的に面白味のなかった205系のイメージが、まさか、こんなに変わるとは。よくぞ、ここまで素晴らしい車両に仕立ててくれたと思う。
デザイナーの立場からすれば、今までの205系があまりにも単調だったので、先入観などなく、逆にやりやすいのかもしれないが、ネットで目にする、甲種輸送中や富士急入線後の改造中のタネ車の姿は、ステンレスボディもその輝きを失っていて、至るところに目隠しのテープなどが貼られていたこともあり、正直、6000系のデビューにはあまり期待していなかった。
だが、デビューした6000系のその姿を見て、想像とは違うその仕上がりに、思わず唸らされてしまった。就役した週末、早速大月に足を運んだ理由も、そのあたりに理由がある。正直、水戸岡氏のデザインは、JR九州のイメージが強いため、他ではやや食傷気味で、“富士登山電車”がデビューした際など、あまり快く感じなかった。しかし、今回の6000系のデザインは、個人的に好感が持てる良いデザインに映り、水戸岡氏に対するアレルギーが消えた。
当日は、小雨まじりの曇天だったが、近いうちに、今度は晴天のデーライト下で見てみたい。
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