往時の輝きを取り戻した横浜市電1150型・1156号車

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横浜は久良岐公園に保存されている、横浜市電1156号車は、全国各地の保存車のご多分に漏れず、目も当てられないほど荒廃していた。

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しかし、昨年、地元新聞記者の呼びかけで修復が始まり、この度、その姿が見事なまでに蘇った。

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その仕上がりは、「復元」を通り越して、まるで「更新工事」を受けたように見えるほど。それが故に、ややレプリカ然と映るような気がしないでもないが…。これは、床下がスッカラカンなので、そのように見えるのかもしれない。

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遠くから見ていると、公園の出口で帰りの乗客を待っている営業車両のように見える。車内には電灯が点り、ヘッドライト横の方向指示器のランプもウインクし、スイッチを操作する見学者を楽しませてくれる。このように、配線が施され、内外とも電気の点灯に対応しているため、1156号車の「息吹」を感じずにいられないのだ。

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修復に携わった業者は、鉄道車両の専門業者ではないのだが、持ち前の技術力は1156号車の修復に、いかんなく発揮された。部品単位での交換が前提の最新のステンレス車と異なり、昔の車両は、こうした、職人技によって、丁寧に手入れが施されていた。技術によるカバーが優れていたからこそ、昔の車両は、長持ちした……美しく復元された1156号車を前に、そんなことを考えていた。

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1156号車は、久良岐公園の案内板の目印になっている。目印というからには、ガラス窓1枚残っていない無惨な姿ではなく、電車然としていて欲しいと思う。今回の修復によって、1156号車は公園の立派なシンボルになった。

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1156号車は、保存車の中では恵まれている。

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荒廃がひどく解体の話しが上がったというのに、それが、今にも走り出しそうな姿に、生き返ったからだ。

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修復の発起人は新聞記者個人だが、地元企業による技術協力や、新聞社によるバックアップなど、他のケースとは事情が異なり、修復過程の記事を読んでいて、金銭面での苦労にほとんど触れられていない。予算を気にすることなく、徹底的に修復作業に取り組んだ、夢のようなストーリーに仕上がっている。

久良岐公園を訪れるのは今回が初めてだったが、大都市・横浜にある公園とは信じられないぐらい、緑深き、環境の良いところにある。横浜市電保存館とバス1本で結ばれているのも都合が良い。

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上大岡でのバスの乗り場が分からずに、ターミナルを小1時間右往左往するなど、久良岐公園に着くまでが大変だったが(←調べずにきた自分の怠慢が原因)、1156号車のふかふかなシートに腰を下ろしていると、その座り心地の良さに、上大岡でのイライラなど、すっかり忘れた。

ちなみに、そのシートは、相鉄7000系の廃車発生品だとか。京急230型を思わせる側面の大きな窓に、背丈の合わない相鉄7000系のシートが覗かせるのは、ご愛嬌だ。

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この記事へのコメント

2012年05月23日 20:11
こんばんは~
青天なのに、すごくキレイな状態で保存されていますね。
2012年05月23日 23:29
昔は横浜にも路面電車が走ってたなんて初めて知りました。路面電車が走ってる街っていいですよねぇ どこ走ってたのか確認してみようと思います。^^
2012年05月24日 09:17
お二人とも、コメントをお寄せ下さりありがとうございます。

>としおさん、修復前は、窓ガラスやヘッドライトが割られた無惨な姿をしていて、解体の話しが持ち上がっていたほどだったんです。

なのに、新製から60年が経った今、まるで新製時を思わせる立派な姿に復元されたのは、夢のような話しです。

詳しくは、神奈川新聞のブログを御覧下さい。

>kouさん、初めまして。
そうなんです。横浜にも市電が走っていたんです。オシャレな横浜の街を、できることなら、路面電車で巡ってみたかったです。

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  • 久良岐公園で13日に市電開放「現役時代」再現

    Excerpt: 久良岐公園で13日、保存されている「横浜市電1156号」の車内公開イベントが開かれる。ヘッドライトを点灯して「現役時代」を再現するほか、記念グッズの販売もある。 Weblog: ローカルニュースの旅 racked: 2012-10-11 21:17