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zoom RSS 北斗星 新しい空に向かって

<<   作成日時 : 2012/12/08 00:00   >>

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この秋、新卒以来13年間続けた仕事を辞めた。新しい仕事が始まるまで2週間ある。

北海道に行こう!

ずっと乗りたかった、“北斗星”に乗ることにした。

乗ると決めたのが直前だったことと、人気列車だということで、エコノミーなB寝台しか空いていなかったが、ある秋の夜、上野駅から“北斗星”に乗った。


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“北斗星”が運行を開始した当初、自分はまだ小学生だった。ずっと憧れの列車で、一度は乗りたいと思っていた。20年以上の月日を経て、ようやく乗車が実現した。

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運行開始当時は、バブル景気の真っ只中であったこともあり、“北斗星”には、日本人の“夢”が数多く織り込まれ、“北斗星”は、日本版・“オリエントエクスプレス”のような列車に仕立て上げられた。

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各地を走る寝台特急も、“北斗星”に続けとばかり、デラックス化の機運が高まったほど“北斗星”の影響は大きく、既に斜陽化していた夜行列車に、新たな方向性を見出した。

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“北斗星”は、そんな、寝台特急のオピニオンリーダー的存在だった。人件費や車両維持費など、背後にある大人の事情など、小学生だった自分に分かるはずなどなく、純粋に憧れたのは言うまでもない。


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上野を出発した“北斗星”だが、発車してしまえばやることがなく、指定された自分の寝台に腰を下ろす。寝るにはまだ早いが、寝台からだと、窓の面積も限られていて、本当にやることがない。退屈するのは織り込み済みで、録画しておいたワンセグの番組などを観て過ごす。筆者が寝台列車に乗る際のお決まりのスタイルだ。

ただ、いつも乗る寝台列車と違うのは、“北斗星”には車内販売があること。事前に食事の心配をしなくて済むのは、昨今の寝台特急では珍しい。平日の列車で、乗車率に余裕があったためか、ワゴンは車内を2往復してきた。

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車掌も、駅を発車する度に、車内を巡回してくる。宇都宮を出た頃、レチさんに申し出て、寝台を変えてもらう。廊下にあるヒーターが、筆者の寝台の向かい部分だけ壊れていて、足元が寒かった。今回の北海道行は、“北斗星”に乗るだけなので、荷物も少なく、寝台の移動はあっという間に終わった。

余談だが、最近になってスマホを買った。今回の旅では、それまで必需品だった時刻表を携行せず、スマホのアプリに依存することにしたので、荷物がより一層身軽になった。その効果たるや、想像以上であり、自分でも意外だった。

デッドセクションの黒磯を何事もなく通過。客車のサービス電源は、電源車から供給されるので、何も感じないのは当たり前のこと。

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21:30前になって、グランシャリオからパブタイムが始まる旨の放送があった。最後部の1号車から、食堂車の7号車まで移動すると、既に席は埋まっていたが、親切な方が相席に応じてくれた。2往復してきたワゴンサービスをやり過ごしたのは、もちろん、グランシャリオでのディナーを楽しみにしていたからに他ならない。ハンバーグのコースを注文する。

これから、ずっと憧れていた夢のひとときが始まる。

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“北斗星”のグランシャリオは、暗い室内に、ランプシェードからタングステンの明かりが零れ、ムード溢れるイメージがあるが、まさに想像していたとおり。自分から何もかもが奪われてしまいそうになる。

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列車食堂は、“はやぶさ”で熊本まで行ったとき以来だから、20年ぶりだ。“はやぶさ”の食堂車の造りは簡素だったが、“北斗星”のそれは、ムードがあり、このまま、どこか異次元の世界にでも連れ去られてしまうのではないか、そんな幻覚さえ感じさせてくれる。この独特のムードが楽しめるだけで、満ち足りた気分に包まれる。

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特に、列車内で温かい本格的な料理が楽しめるのは、今となっては貴重な場面だし、ありがたいことである。B寝台のベッドで食す駅弁は、それはそれで珍しい光景に映るだろうが、実際は義務的で、食事を楽しめないのだ。

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ところで、自分は鉄道マニアなので、ムードに酔いしれてばかりいられない。もちろん、細部をあちこち観察するのを忘れない。

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実は、乗車した“北斗星”で気になっていたのは、起動と停止時の衝動の大きさ。運転技術に高度な技量が要求される機関車列車であることと、連結器の構造からして、衝動が発生するのはやむを得ないのは分かる。最近は、ATSが高度化して、駅停止時の速度照査も細分化され、機関車列車の場合はなおのこと大変だろう。

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だが、福島停車時の大きな衝動によって、筆者のコーヒーがカップから零れ、だいぶ心象を悪くした。「食堂車のワインが零れることのないよう」…が、寝台列車の制動時の注意事項だったと思うが、それだけに残念だった。実は大宮でも、発車の際に客車が一度後退してから引き出され、まるで貨物列車のような起動を伴い、旅気分が一気に現実に引き戻されており、この日の衝動には閉口していたところだった。“北斗星”は、牽引機がEF510型になったが、変更されて1年以上になるので、運転技術の問題点が改善されても良い時期に達していると思われる。

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食事を終えて、ロビーカーで1時間ほど過ごす。B寝台に戻ってもやることがないし、車窓を楽しむには、ロビーカーの方が都合が良い。過ぎ行く街の灯りに、チョイスした音楽がマッチし、1人ムードが盛り上がる。仙台で乗り込んで来た青年が、ベッドではなく、直接ロビーカーに入って来ては、備付のテレビのスイッチを入れた。

時刻は0時を回ろうとしているので、そろそろB寝台に戻り、眠りに就いた。

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翌朝、車内が蒸し暑くなり、いま青函トンネル通過中であることを、寝ぼけ眼で悟る。函館ではホームに降りて、機関車交換を写すが、10月とはいえ、北海道の朝は寒い。

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今度は、ロビーカーでシャワーを浴びる。2年前に、“サンライズ”でシャワーを浴びた時は、お湯が出なくて困ったものだが、今回は暖かいお湯が出て、リフレッシュ出来た。“北斗星”では、食事やシャワーの心配をしなくて済み、このまま、何泊でも過ごしたくなる。

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食堂車で、モーニングを食べる。洋食のコースを選んだ。朝日が差し込むグランシャリオの車内は、夕食の際に過ごした雰囲気とは違う。進行方向右手に噴火湾が展がる。朝日に輝きまばゆい海を見ながら、食堂車で朝食だなんて、何とも贅沢だ。

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だが、車内が明るいと、夜には気付かなかった部分も見えてくる。長距離の仕業を毎日こなしているのだから、車体が傷みやすいのは分かる。スシは改造タネ車が電車特急で、ただでさえ、日車キロが高いし、北海道新幹線開業後の北斗星の在り方が不明確なので、車体更新工事も施工出来ず、現状維持が精一杯なのだろう。

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朝食が済むと、やることがなくなってしまった。B寝台のベッドで音楽を聴きながら過ごす。

通路では、レチさんが慌ただしく何度も行き交う。ホーム有効長の都合で筆者の乗っている最後部車両は、ドアカットを必要とするケースが多いのだ。

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その様子を見ていて、不安になったのか、隣の寝台の区画の乗客が、「オレ、南千歳で降りるんだけど、ドア開くかな」…と尋ねて来た。分からなかったので、車掌氏に聞くよう促した。レチさんの動作を見ていると、たしかに不安になるわな。

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次が南千歳ということは、終着駅の札幌に近付いたことを意味する。気付いたら、車内で何も考えずに、ボーっとしていた。10月下旬の北海道は、紅葉真っ盛りだ。

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上野から16時間ちょい。“北斗星”の旅は終わった。

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“北斗星”は、列車そのものが旅の目的になる素晴らしい列車で、憧れの列車だ。来年には、運行開始25周年を迎えるそう。北海道新幹線新函館開業と、客車の寿命が一致するため、今後が気になるが、年間を通して利用率の高い“北斗星”のこと、夜行列車は運転手配が面倒だからと、廃止になるようなことは考え難い。

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“カシオペア”のE26系が数年後に更新時期を迎えることもあり、ここで是非とも、“北斗星”にも新車を期待したいところだ。

蛇足だが、筆者は札幌到着後、駅地下街で海鮮丼を食べ、上りの“北斗”で帰京している。札幌滞在、わずか2時間。まさに、“北斗星”に乗るだけのための、北海道入りとなった。

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寝台特急「北斗星」EF510形
寝台特急「北斗星」は1988年に運行開始し、Rグループが運行する定期旅客列車として最長距離をほこる。電化区間は、2002年にデビューした電気機関車“後藤さん”ことEF510形が牽引する。 ...続きを見る
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2013/08/08 21:35

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
北斗星の旅、面白そうですね。私はまだ乗った事がありません…

スマートフォンは便利な反面、トラブルや電池持ちといった悪いところがありますね。
千葉バス情報館
2012/12/08 00:33
こんばんは。先日は気持ち玉いただき、ありがとうございます。「北斗星」での車窓を眺めながらの食事、素敵ですね。楽しそう。まぼちゃんは、上野駅や札幌駅では何度となくみている「北斗星」ですが、写真をとるだけでまだ一度も乗ったことがないです。。。
まぼちゃん
2012/12/08 17:36
転職されたのですかね、新しいお仕事の合間に北海道楽しまれてください、こんな機会しか長期で中々渡道できませんもんね。
としおちゃん
2012/12/09 16:23
こんばんは、OTSUKYONです。北斗星の旅、楽しく拝見しました。実は10月14日に私は札幌から京都まで、トワイライトEXPのBシングルツインにはじめて乗車し、3本のブログをしたためたとこなんです。こちらも感動がいっぱいありましたね。ところで写真はスマホですか?大変綺麗に撮れてますね(汗)。よかったら、こちらも見てください。
OTSUKYON
2012/12/13 21:03
はじめまして。blog観覧して夜行列車の旅気分のようでした
(⌒〜⌒)
車内の画像は勉強になりました
車両の老朽化対策や乗務員人件費など課題あるみたいで、ブルトレは今後どうなるのかしら?ちょっと不安感と期待度が‥。
〜NORINKO〜
2012/12/21 00:03
どうも、お久しぶりです(^-^)
「北斗星」で札幌へ行くとは、羨ましいですね!!
私も一度は乗ってみたいと思います!!
けんまる
2012/12/25 22:11
コメントをお寄せ下さった皆様、どうもありがとうございました。
初めて拙ブログにおいで下さった方もいらっしゃるのに、お礼を申し上げるのが遅くなりまして、誠に申し訳ございません。
この記事の冒頭で書きました通り、転職した関係で、気持ちに余裕のない毎日を送っており、お礼が遅れました。
ツキだっ!
2012/12/30 17:53

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