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zoom RSS 津軽鉄道のニクイ演出

<<   作成日時 : 2012/08/29 12:20   >>

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“リゾートしらかみ1号”を五所川原で下車して、今度は津軽鉄道を終点の津軽中里まで往復する。列車は、津軽21型の2連。後部1両は回送扱いで締め切りだ。

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津軽21型は初期車でも経年16年と比較的新しく、津軽鉄道のようなローカル私鉄では、新車のうちだ。もう少し徹底して清掃すれば、新車のままの状態を維持出来るだろうに、座席蹴込板周りなど、傷みが見られた。

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運転台を覗くと、スタフ差しに列車ダイヤが立ててある。ダイヤグラムがスタフを兼ねているようで、合理的だが、乗務員の仕業はどのようにして決めているのだろう。車内には風鈴が下がっている。津軽21型は窓が固定で、車内に風が通らないため、風鈴はほとんど鳴らないが、風鈴列車はこの夏で30周年を迎えたとか。

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列車は津軽平野をのんびりと走る。津軽21型は、その性能を持て余しているような走りで、力行時間を抑え、極力惰行で走ろうとするのは、全国各地のローカル私鉄共通の傾向だ。途中、防雪林が続く区間があり、室内灯が点くが、真夏のギラギラとした陽射しが窓から容赦なく射し込み、補助光を必要とするほどの暗さにはならない。

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津軽鉄道の列車には、アテンダントが乗務している。筆者の座席にもまわってきて、「終点までですか〜?、どうぞごゆっくり〜」と声を掛けてくれる。今まで数え切れないほど、列車に乗ってきたが、車内で「ごゆっくり〜」だなんておもてなしを受けたのは初めて。接客のプロがゆえ、筆者が人見知りなのを瞬時に察したらしく、お互いそれ以上言葉を交わさなかったが、沿線の馴染み客だろうか、相手によっては、かなり長い時間、話し込んでいる。何だか、悪い気はしない。彼女は、車内アナウンスや客扱いは行わず、車内のムードづくりに専念している。

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終点の津軽中里に着いた。改札口を抜けると、先ほどのアテンダントさんが追い掛けてきて、最北端証明書をくれた。折り返しまで1時間以上あるが、駅前に時間を潰すような場所はない。いま乗ってきた列車を見ると、アテンダントさんとウテシさんが、窓ふきなど、車内整備を行っている。駅窓口の中を覗いたら、詰所にダルマストーブがあった。津軽鉄道らしい。

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ホームの先には、機回しの設備がある。機回し途上には踏切があって、気動車列車の場合は、この踏切を遮断する必要がないにも関わらず、連動して遮断する。列車選別装置がないための措置なのだろうが、手堅い設計で、保安度は充分だ。沿線の踏切には、警報機がLED化された新しい踏切も見られ、安全向上のための設備投資を、積極的に行っている姿が見て取れた。

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津軽中里の駅舎はスーパーマーケットを併設していたようだが、お店が撤退したしたようで、店舗跡が自治体のコミュニケーションスペースとなっていて、地域の人が軽食などを提供している。折り返しの列車まで、そこで食事をして過ごす。「個人情報保護」など無縁なのか、一目で遠来の客と分かる筆者に、オバちゃん達があれこれ、容赦なく質問をぶつけてくるので、答えに困る。こちらも、雰囲気を壊さないよう、上手く質問を交わす。お漬け物をサービスしてくれた。

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「駅ナカにぎわい空間」の奥には、5月に行われたというイベントのステージが残されていた。そのステージを見てびっくり!なんと、当日ステージに立ったのは、地元・青森県出身の三上寛さんだったそうだ。三上さんは、筆者が大好きだった「さすらい刑事旅情編」にゲスト出演されたことがあることから、少しだけ親しみを覚える俳優さんだ。まさか、津軽中里で、三上さんとの接点が待っているとは、思いも寄らなかった。

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折り返しの列車の発車時刻が近付いて、列車に乗車すると、2両編成のうち、1.5両分は途中からの観光客輸送に使用するらしく、前の1両には、通路にロープが張ってある。

そして、金木から観光客が乗車してきた。車内は一気に賑やかになり、往路乗ってきた列車と、同じ車両に思えないほどの変わりようだ。ただ、輸送力は2両で適正で、乗務員が団体客と一般客を上手に割り振ったら、全員が座席に収まった。

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アテンダントさんが、大張り切りで、津軽弁で案内を始める。「案内」というよりも、「DJ」といった方が相応しく、彼女が一方的にずっと喋っている。ところが、駅が近付くと、急にトーンを落とし、標準語で次駅のアナウンスを始める。このあたり、まるで、ノリノリで喋っていたDJが、CMが近付いたので、突然思い出したかのように真面目な口調で、提供クレジットを読み上げるラジオ番組のワンシーンに似ていて、楽しめた。

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ローカル線といえば、ワンマン列車がほとんどで、車内はどことなく無機質な雰囲気であることが多い。車窓の名所のガイドだって、自動放送でやろうと思えば、行えてしまう。

これは、津軽鉄道にも同様のことが言える。

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特に、夏の津軽鉄道には、冬の、ストーブ列車シーズンと違い、目玉がなにもなく、行程上の印象など、なおさら残りにくい。

そんな中、アテンダントサービスによる、ムードを盛り上げる演出によって、思い出に残る旅路となった。ただ、乗り潰すことだけが目的だった筆者を、「(津軽鉄道に)また行っても良いかナ」…という気持ちにさせてくれる。

これは、偏にアテンダントサービスが成功していることを意味していると思う。

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東北新幹線 E5系に乗りました
函館観光の翌日は、五能線と津軽鉄道を巡る。東能代まで乗った701系の普通列車は、トイレが故障中で、レチさんが、水洗用のペットボトルを運び込むハプニングがあった。 ...続きを見る
月の鉄路
2012/09/13 10:07

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
傷んだキハが痛々しいですね、静態保存なおでしょうか…。
としおちゃん
2012/08/30 16:06
どうも、こんばんは(^-^)
古い気動車、非常に腐ってますね・・・・
余談ですが、津軽鉄道にストーブ列車は今も存在しているのでしょうかね・・・・
けんまる
2012/08/30 23:17
お二人とも、コメントをお寄せ下さり、誠にありがとうございます。

>としおさん
左側のキハは、車籍は抹消されています。

>けんまるさん
ストーブ列車、まだ走っていますよ。
ツキだっ!
2012/08/31 10:02
こんばんは。まぼちゃんは、芦野公園駅か太宰治記念館に行ってみたいですね。津軽鉄道は、数年前下北交通の大間駅に行った帰りに行ってみたかったんですが、時間がなく行けなかったことがあります。真ん中にある写真は、桜の時期が綺麗な芦野公園駅でしょうかね。
まぼちゃん
2012/09/02 21:14
下北交通大間駅→大畑駅の間違いでした!今はバス停があるだけです。
まぼちゃん
2012/09/02 21:17
まぼさん、コメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.

まぼさんは、本当に、よく、積極的に全国各地を巡ってらっしゃるみたいですね。
ツキだっ!
2012/09/05 21:19

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