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zoom RSS 乗車ルポ 東武線直通 特急“日光8号” 485系の記憶

<<   作成日時 : 2011/01/13 21:33   >>

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485系で運転される1058M・特急“日光8号”に乗車した。ご存知のように、東武乗り入れ特急は、2011年4月に253系への置き換えが決定しており、485系の東武乗り入れは見られなくなる。

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“日光8号”は、東武日光を16:37に発車。下今市・新鹿沼・栃木・大宮(JR)・池袋の順に停車する。終点の新宿には18:34に到着する。表定速度は約69km/hと、あまり速い印象はないが、日光から、池袋や新宿まで乗り換え無しで行けるという安心感は、捨て難い。

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ちなみに、浅草−東武日光間135.5kmを“けごん1号”だと1時間46分で走行する。距離にすると新宿−東武日光間とほとんど同じだが、表定速度は約76km/hである。もっとも、JR直通列車は、栗橋での運転停車があるため、単純に速度を比較するのは公平ではない。

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東武特急がJR東日本に乗り入れるようになって、5年が経とうとしている。当時、東武特急がJRに乗り入れるだなんて、誤報かと思った。なぜなら、永いこと、東武とJR(国鉄)は日光を舞台に、競合関係にあったからで、その図式が頭に染みついている以上、どうしても信じられなかった。山手貨物線を行く“スペーシア”を、大塚で初めて見たときの光景は、今でもよく覚えている。

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東武側は乗り入れ車に100系“スペーシア”を整備したが、JR東日本が乗り入れにあたって用意したのは、485系だった。必ずしも交直両用車が必要ではないが、磐越西線などで臨時運用に充当されていた編成が起用された。車両需給の面と、ドア数が考慮されたのではないか。予備車には、189系“彩野”が東武直通用に整備された。

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485系は、東武直通改造を受けてからまだ5年しか経っていないが、一時期故障が続いたようで、253系が成田空港特急から捻出されたこともあり、置き換えられることになった。東武直通用の253系は2本用意されたので、189系も、253系に置き換えられる。東武直通用の485系は、改造から僅か5年しか経過しておらず、改造費を償却出来ていないように思われるが、故障が続き信用をすっかり失った編成ということもあり、転用は考え難い。

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東武日光を発車した“日光8号”は、抑速制動を効かせながら、日光の勾配を駆け下りる。速いという速度感は得られない。窓の向こうに、夕暮れ色に染まる山々が見え、とても印象的だ。

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車内は,“スペーシア”に合わせるべくアコモ改善されている。シートピッチも余裕たっぷりで,少しの荷物なら荷棚は必要としない.座席も,リクライニングの他に座面スライドも付いているが,2時間弱の乗車時間なら,座面スライドはこれまた必要としない.窓框などはゴールドで仕上げられていて,“スペーシア”を意識しているのがよく分かる.

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なお、通路のドアが場所によって自動だったり手動だったりとマチマチで、これには戸惑った。客室とデッキのドアの一部が自動化されていないのだ。どうして全部のドアを自動化出来なかったのか、理解に苦しむ。

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乗車していて感じたのは、加速がノコギリ進段で、ガクン・ガクンという細かい衝動が伝わってくることと、曲線通過の際に揺さぶられるようなヨーイングを感じることである。加速に関しては、485系が抵抗制御で、多段バーニアでもない標準的なステップなので、構造上仕方がない。数年前だったら、まるで気にならなかった事柄なのに、VVVF全盛の時代では、少し気になるようになった。減速についても、東武のATS速度照査条件が厳しいのか、下今市に停車の際の制動がぎこちなかった。曲線通過時の衝動については、DT32(TR69)は滑るような乗り心地に定評があっただけに、意外に思った。気になったのは東武線内だけである。

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編成は4M2Tの6連で、モハ484には東北特急運用を意識した設計の名残で、車掌室がある。他にも、業務用のスペースがあったり、シートピッチ拡大の際に発生したと思われる、余剰スペースが荷物置場に割り当てられたりしていて、定員は少ない。乗車したモハ485-1055はシートが14列しかなく、定員56名だ。しかし、“スペーシア”にはビュッフェや個室があるため、こちらも編成定員は思いのほか少ないため、定員数の違いによる営業面での制約は案外少ないのではないかと思う。

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さて、“日光8号”だが栃木からの乗車が目立った。栃木は「蔵の町」として観光に力が注がれているが、鬼怒川や日光に比べたらインパクトに欠けるため、栃木からのまとまった乗車は正直意外に思った。客層は案外、観光客よりも用務客だったのかもしれない。栃木に、それなりのJR直通需要があることを知る。

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列車は、東武線内の関東平野を進む。東武日光線内で特急列車は120km/h運転が実施されているが、“日光8号”のスピードは平坦線に出てからも、あまり上がらない。車内に、NREの車販がワゴンを押してやって来る。車内販売は、東武線内もNREが担当している。

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“日光8号”は、いよいよ栗橋に到着する。到着と言っても連絡線上にホームはなく、運転停車である。到着前にセクションを通過するため、485系は室内灯が消え、補助灯が点灯する。485系は交直両用車なので、無加圧区間を何度も通過してきたはずで、珍しくはないが、栗橋の場合は、直流同士のセクションであり、485系登場当初、まさか直流同士のセクションを通過することになるとは、想定されていなかったはずだ(饋電区分としてのセクションを除く)。大容量バッテリーを搭載する車両が増え、セクション通過時に車内が暗くなる列車そのものが、珍しいものになった。

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JR線に入った“日光8号”だが、車内にいる限り、会社の違いを感じることはない。強いて言えば、レチさんが変わったことが、車内放送で分かる程度だ。栗橋に運転停車した後は、大宮に止まる。大宮では客扱いが行われる。全線複線化されたことだし、“日光”や“きぬがわ”を東武野田線経由で運転すれば、東武鉄道は自社沿線の乗客を多く取り込め、メリットがありそうだ。しかし、大宮駅構内は配線の都合で、下り列車を野田線に接続させるのは難しく、実現性に乏しい。

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経由と言えば、“日光”や“きぬがわ”では、Suicaやパスモが実際には使えないと案内された。ICカードは実際の乗車経路に関係なく、最短経路で決済されるルールがあるからで、“日光”や“きぬがわ”に乗車の際、ICカードで乗車すると北千住経由での運賃計算になってしまうとの説明を受けた。また、定期券での乗車が認められないという制約もあり、気軽には乗車出来ない。現代の感覚からすると、やや利用しづらい印象を受ける。

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大宮を出て、筆者は車内でウトウトしてしまった。気が付くと池袋の手前。池袋−新宿は筆者のいつもの通勤経路で、見慣れた車窓だが、いつもと違う列車からだと、違和感を覚える。

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山手貨物線は多くの列車が乗り入れるため、遅延などの影響を受けやすいが、この日の“日光8号”は18:34定刻に新宿駅5番線に到着した。

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乗車ルポ 今度の東武直通特急は“ナリタ”
東武日光駅に、赤い列車が止まっている。愛嬌すら感じられる独特のコンタは、デビューしたばかりの253系だ。想像では、東武線上を行く253系だなんて、とてつもない違和感を覚え、あるいは、拒否反応すら感じるかと思っていたが、何食わぬ顔をして収まっている。 ...続きを見る
月の鉄路
2011/06/20 01:08

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは〜
485系もだいぶ顔つきが変わって、いますがスペーシアの方がやっぱり出来がいいですね。
としおちゃん@網走
2011/01/13 22:07
としおさん,旅先からコメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.

485系3000番台を初めて見たときは驚きましたが,103系N40改造車など,最近はこのテの改造は行われなくなり,新造を選ぶ会社がほとんどになってしまいました.
ツキだっ!
2011/01/13 22:17
どうも、こんにちは(^-^)
485系の東武線乗り入れも、これで見納めですね。
けんまる
2011/01/14 12:27
けんまるさん,コメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.

大手私鉄に乗り入れるJR特急と言えば,371系と,この東武直通用485系ぐらいなので,珍しい存在でした.バリエーション豊富で,長い歴史を持つ485系ですが,その中でも異色の存在だったと言えます.
ツキだっ!
2011/01/14 22:14
253系の転用は色がちょっと濃すぎると思うんですよねー(笑)。
ロビンソン
2011/01/27 10:27
ロビンソンさん、コメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.

乗り入れの私鉄や第3セクターが、JRの車両の規格や塗装と同じものを採用する例は多いですが、485系の場合は、それらとは逆に、私鉄のカラーリングをJRが採用した、珍しい例でした。

253系も、スペーシアのカラーリングにした方が、控え目で上品になったかもしれませんね。
ツキだっ!
2011/02/02 21:00

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