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zoom RSS バラエティー豊かな列車で行く,肥薩線〜日豊本線ルート

<<   作成日時 : 2010/04/19 20:07   >>

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熊本からは、8:28発の特急・“くまがわ1号”に乗り、人吉まで行く。列車はキハ185系の2両編成で、指定席車と自由席車が1両ずつのシンプルな編成だ。

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キハ185系には初めての乗車となるので、楽しみにしていた。…………?!、いや、待てよ。キハ185系って、四国の特急型気動車だよな。そう言えば、四国で何度も乗ったことがあるから、初めてじゃないんだっけ?ステンレス無塗装だった外観は真っ赤に塗り潰され、どちらかといえばシンプルだった車内アコモも、徹底的に造り込まれ、まるで違ったものになっている。これじゃあ、まるで別形式に見えるわけだ。

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ところで、熊本からなぜ特急“くまがわ1号”に乗車したかと言えば、肥薩線〜日豊本線〜九州新幹線を辿ることにしたから。肥薩線では、“くまがわ”の他に、“いざぶろう1号”・“はやとの風1号”に乗車することが出来るため、未乗路線踏破だけでなく、車種のバラエティーが楽しめる。どれも、JR九州ならではのご当地列車で、熊本旅行計画当初はまるで頭になかったのだが、時刻表をあれこれ捲っているうちに、どうしても乗ってみたくなった。そのため、前後の予定をズラして時間を無理に確保している。

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なお、熊本〜人吉〜吉松〜隼人〜鹿児島中央〜熊本というルートを辿る上で、何か良い企画キップがあればと探してみたが、適当な商品がなく、前述のルートをカバーする乗車券を購入した。これがまた、熊本−新八代(経由:熊本〜人吉〜吉松〜隼人〜鹿児島中央)と、新八代−熊本の2枚の連続乗車券でしか発行出来ないとのことで、車内改札や新幹線連絡改札でいちいち止められ、説明に難渋させられた。プロの人って、みんな、乗車券のうち、乗車駅と降車駅しか見ないのね。

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特急“くまがわ”は肥薩線内を球磨川に沿って走る。筆者はその1週間前に、特急“ワイドビューひだ”に乗り、飛騨川の流れに沿って、高山本線の旅を楽しんでいるが、初めて見る球磨川は、川幅が広く、スケールが一回り違う。キハ185系は、デッキにも窓ガラスがあって、客室にいながら前面展望が楽しめる。

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客室乗務員は、スタンプカードを配ったり、キャンディーを持って回ったり、1人で気を配っている。キハ185も新製から20年以上が経過しているが、“九州横断特急”仕様のそれは、前述のように徹底的にアコモ改善されていて、エクステリアも赤一色となり、しかも、エンジン換装が行われたようで、鹿児島本線内での走りも鋭く、経年を全く感じさせず、気動車特急の主力といっても良い。ハード・ソフトの両面で、クオリティーのかなり高い特急列車という印象を受けた。

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人吉からは、10:06発の“いざぶろう1号”に乗り吉松まで進むことになっているが、乗り換え間合いに、構内にいるくまがわ鉄道の車両を写す。元JR九州キハ31のKT-31をキャッチ出来た。

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というわけで、人吉から乗った“いざぶろう1号”だが、案内上の種別は「観光列車」と称するそうで、一般の普通列車とは区別されている。そんなこと、実際にこの列車を見れば一目瞭然だが、自由席車も連結されていて、一般の利用も行えるようになっている。換言すれば、一般の普通列車を、観光資源に仕立ててしまった列車…といっても過言ではなく、発想の転換というか、アイディアものだ。

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充当される車両は観光仕様に特化したキハ140系だが、1日わずか5往復しか運転されない閑散区間の普通列車を、付加価値のある立派な商品に発展させてしまったという点において、目を見張るものがある。しかも、ソフト面での対応によっては、一般仕様のキハ140系でも、この観光列車“いざぶろう・しんぺい”は、見事に成り立つ。すなわち、“いざぶろう・しんぺい”の商品価値は車両そのものだけではないのだ。

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この観光列車は、結果、ワンマン運転が行えず、車掌の乗務を必要とするほか(3B以上)、客室乗務員も数名乗務させる必要があることから、ワンマン列車と比較し、運行コスト面で有利に働くかどうかは疑問があるが、マイナス向きの施策ばかりが溢れる中で、専用仕様化改造という設備投資を伴ってまで活性化を図った営業戦略は、評価に値する。実際に、乗車列車は指定席車両もほぼ満席で(春休み期間中の週末だったことも影響しているのだろうが)、これは、運賃収入だけでなく、料金収入も加わることになり、これはすなわち客単価増を意味しており、単なる話題作りだけで終わらせていない点は見事だ。

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それに、10分にも満たないわずか数分の停車時間を利用して、客室乗務員は乗客を駅構内の散策へと導き、車内はほぼ空っぽになる。駅舎には、地元の方による物産コーナーが設置されている。わずか数分とはいえ、駅は活気づき、地域とのタイアップが図られている。これが、単なるワンマン列車だったら、停車時間中にホームに出て散策する人など、限られているわけで、JR九州の単なる増収策だけでなく、沿線地域の活性化を狙ったという面においても、成功を見せている。

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車内には、前面に設置されたカメラによって前方風景が映し出されるモニタがある。解像度が高く、クリアな映像が楽しめる。増設された前照灯が効果的で、隧道内も画像は鮮明だ。他に、車窓スポットでは徐行や停車のサービスもある。急勾配上で、キハ40だったらまず起動(登坂)しないと思われる場所でも、大出力化改造を受けたキハ140なら、力強く歩みを進める。

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1時間強の乗車であったが、見るものが多かっただけでなく、得るものも多かった。“いざぶろう・しんぺい”は、そんな列車である。

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吉松からは、11:21発の“はやとの風1号”で鹿児島中央を目指す。列車は深い色をした黒が印象的な専用編成のキハ140型・キハ47系の3連。

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全体的な列車の構成は“いざぶろう・しんぺい”と同様で、実際、吉松で“いざぶろう・しんぺい”から乗り換えると、その延長線上にしか思えないのだが、“はやとの風”の種別は特急であり、青春18きっぷで乗車出来ないこともあって、乗車率はそれほど高くない。アコモ改善され、一般仕様のキハ47とはイメージがまるで違うとはいえ、走行中に伝わってくるコイルバネ台車の振動に、面白くない感情が走る。

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“いざぶろう・しんぺい”とコンセプトが同じなのに、よりによって、何で特急として走らせるのか理解に苦しむところ。“はやとの風”に対しては、どうしてもテンションが下がる。これは「キハ47は一般型」という先入観が強く働いているからだろう。人吉まで、“いざぶろう・しんぺい”を褒め称えていた自分が、嘘のようだ。しかし、“はやとの風”は特急は特急でも、「観光特急」という位置付けらしく、一般的な特急列車とは一線を画する。“いざぶろう・しんぺい”との差別化は,シートがボックスと,リクライニングとの違いによって図られている。

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それに、走り出せばランカーブは特急らしく、その快足ぶりに悪い気はしない。キハ47の、あの重々しい走りではなく、とても軽快だ。単尺レールのジョイント音がリズミカルで、心地良い。客室乗務員は、「旅の水先案内人」と称していた。

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鹿児島本線に入り、列車は順調に鹿児島中央へと向かう。車窓には錦江湾と桜島がしばらく続き、もう、乗車中の列車が特急だろうが何だろうが、そんなこと、どうでも良くなる。

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広いと言うより長い鹿児島駅構内を出ると、列車は市街地の高架軌道を進む。鹿児島中央12:49着。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
四国時代に乗っているのじゃないでしょうかね?
旅好きのツキだっ!さんのことですから、私が最初にキハ185に乗ったのが四国でしたから…。
肥薩線ルートで鹿児島入り、いつやっても楽しいですね。
としおちゃん
2010/04/19 20:49
としおさん、コメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.

そうなんですよ、乗るまで気付かなかったんですよ。四国のキハ185系と同じであることに…。
ツキだっ!
2010/04/19 23:25
九州横断特急&くまがわ用キハ185は、私が見た「ゆふ」用キハ185と微妙に塗装が違うのですね。

キハ47が特急列車というのは、違和感があります。車内設備は特急列車以上のものですが・・・。気にするのは、鉄道ファンだけですかね?
とんちゃん
2010/04/20 17:13
とんさん、コメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.
“ゆふ”用と“九州横断特急”用とでは、カラーリングがやや異なるみたいで、“九州横断特急”用はステンレスが全面的に塗り潰されています。
ツキだっ!
2010/04/20 20:33

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