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zoom RSS 宗谷本線 “スーパー宗谷” “サロベツ” 2つの特急列車

<<   作成日時 : 2009/11/22 23:57   >>

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札幌8:30発の2031D・“特急スーパー宗谷1号”に乗り、最果ての街・稚内を目指す。列車は今回初体験のキハ261系6連。

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キハ261系は宗谷本線の高速化に伴い製造された特急気動車で、基本的なスタイルはキハ281系・キハ283系と共通だが、振子制御は構造が簡略化された。傾斜角が緩くなったため、車体の裾絞りが抑えられており、キハ283系などと比較し、ずんぐりむっくりに見える。ドア横の号車表示、指定・自由席の別はキハ283系ならLEDで表示されるが、キハ261系はサボによる案内だ。

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旭川までは、函館本線を進む。2日前にキハ183系で同じ線路上を通ったが、あちらが一世代前の気動車特急であることを感じさせるやや鈍い走りだったのに対し、キハ261系は気動車であることを感じさせない。変直切替時のショックもない。ただ、直線走行時のヨーイングが少しだけ気になった。

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北海道の広い大地を行く。線形が良くて振子制御を必要としないようで、振子気動車ならではの、「いざ!カーブ曲がります!」と言わんばかりのエンジンの回転数上昇がない。いや、宗谷本線に入ってからも曲線通過時のボルテージ上昇はなかった。そのため、振子気動車に乗車中という感覚は最後まで得られなかった。振子気動車も、いよいよここまでスマートになったかと、ひとり感激する。

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キハ261系はキハ281・283系の簡略版と書いたが、車体幅の狭さや、独特の揺れに伴う乗り物酔いなど、従来の振子気動車が持つマイナス面が、振子構造の簡略化によって是正されたのは皮肉である。このように、キハ261系は現状において最良の振子気動車と思える。

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4両編成3本のほかに予備車2両が用意され、2本使用1本予備の運用だが、多客時は予備編成を分割し、基本編成に増結される。そのため、下り方増結と上り方増結の2パターンがあって、下り方の先頭車は幌が常に設置されている。流線型の先頭部に幌むき出しだと、せっかくのデザインがスポイルされてしまうという向きもあるだろうが、筆者はこの幌むき出しの感じが好きである。幌枠ごと、綺麗に収納してしまう例が他社ではあるが、キハ261系はきっと、冬季の凍結などの関係で、むき出しのままとなったのだろう。その先頭部には貫通路に窓が設置されていて、前面展望が利くのは、JR北海道の特急列車独特のスタイルだ。筆者が乗車したこの日も、この部分に三脚を置いて前面展望を撮影していた人がいた。

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余談だが、中間車の後位に流線型先頭車が組成されるシーンは、あまりスマートではないが、JR北海道の特急はカラーパターンがブロックでの表現となっており、結果、高運転台の流線型先頭車が組成されても違和感がなく、上手い処理法と感心する。国鉄末期、幕張区の183系に6+3のブツ編成が登場し、その凸凹ぶりに驚かされたのを思い出す。

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旭川を出ていよいよ宗谷本線だ。永山でキハ40の快速“なよろ4号”と交換する。停車時間は30秒とのこと。その程度なら、わざわざアナウンスを入れるほどでもなさそうだが、律儀だ。レールのジョイント音もいつの間にか短尺に変わっていることに気付く。

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和寒では2032D・“特急スーパー宗谷2号”と交換。以降の交換は4330Dだけで、対向列車がほとんどいない。

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車内に目を向けると、“スーパー白鳥”用の789系と共通のイメージで、シートモケットが赤と青の車両、2種類存在する。他の振子特急と違い通路は狭くなく、揺れも少ないため歩き易い。トイレは洋式で便座除菌クリーナーまで用意されていて、清潔だ。車内放送は自動で、次の駅までの時間がアナウンスされる。また、案内LEDには次駅までの距離が表示されるため、おおよその目安になる。

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気分転換に、車内販売でアイスクリームを求める。バニラアイス。火照った頬に冷たくて美味しいのだが、クリームの比率が高くて、バニラの濃さが期待していたほどではなかったのが、やや残念。車窓風景は広い大地や、山深い自然を映し出す。単調なのだが、時折、最近興味の深度が増してきたバスの廃車体などが姿を現したりして、不思議と飽きない。稚内からの復路も特急列車利用の予定だが、宗谷本線を窓を大きく開け放った普通列車で旅するのも、また楽しそう。

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天塩中川では後ろ3両、豊富では後ろ4両が客扱い時にドアカットとなる。当日は増結していたこともあるが、6両編成中ドアが開放される車両が2両だけというのも、特急列車では珍しい。振子らしさをあまり感じないまま進んできたが、天塩中川を過ぎた辺りから、振子による傾斜の実感が得られるようになってきた。だが、速度はあまり速くない。ちなみに、キハ261系の最高速度は130km/hだが、130km/hを出せるのは名寄以南に限られているそうだ。天気が悪いので利尻島はおろか、利尻富士も見えない。

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南稚内に近づくと、車窓風景が都市然とやや賑やかになって来た。終着駅稚内はもう間もなくだ。札幌を8:30に出発した2031D・“特急スーパー宗谷1号”は、13:28に定刻通り最果ての街・稚内に到着した。所要4時間58分、全行程396.2kmの長い道のりだった。

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稚内では、乗り換え間合いが17分しかなく慌ただしかったが、構内を少しだけ見てまわって過ごした。日本最北端の駅ということで、ホームでは観光客がひっきりなしに記念撮影をしている。駅前は工事中で、雑然とした印象を受けた。せっかく稚内まで来たので、せめて稚内駅から徒歩5分の所にあるという北防波堤ドームだけでも見学したかった。

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稚内からは、宗谷本線で引き返す。復路は、13:45発の2042D・“特急サロベツ”に乗車する。

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宗谷本線の特急のうち、キハ183系で運転される列車は“特急サロベツ”と称している。2000年までは急行だったが、“特急スーパー宗谷”運転開始に伴い、“サロベツ”は特急に格上げされ、宗谷本線から急行列車が消えた。“スーパー宗谷”の中に埋もれて1往復だけ運転されるため、地味な列車なのか、指定券を手配したびゅうプラザの女性店員が、「これは〜、普通列車ですかね?」だなんて言っていたのが印象的だった。

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基本編成は3両だが、乗車当日は1両増結の4両編成での運行だった。車内販売の乗務がなく、飲み物の自動販売機が備わる。

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先ほどまでキハ261系に乗車していたので、どうしても比較してしまう。キハ261系では気にならなかった乗り心地だが、キハ183系では揺れが気になり、先ほどと同じ軌道を走っているとは思えない。また、アコモ面で見劣りを感じてしまう。乗車した車両は分割民営化直前に登場した1500番台で、“北斗”系統の車両と違い、色使いなど、今でも1980年代のテイストが色濃く残っていた。だが、シートピッチが広く、窓下にはコンセントまで備わるなど、国鉄の標準的な特急車両と比べたら、グレードは高い方だ。先頭車は、運客仕切越しに前面展望が楽しめる構造。

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それに、“特急スーパー宗谷号”では自動だった車内放送が、“特急サロベツ”では車掌氏の肉声放送で行われる。昔ながらのオルゴールも流れるほか、兜沼に差し掛かる旨の観光アナウンスのサービスもあって、なかなか味がある。1両増結の多客時でも、レチ氏は1人乗務のようで、忙しそうだが、車内改札時に「いらっしゃいませ」と、丁寧にまわり、信頼感や安心感が得られ、好感がもてた。

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このように、最初は見劣りばかり感じていた一世代前の特急列車も、クルーによるソフト面によって見事にカバーされ、しばらくすると、不満は一切覚えないほどになった。

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上り列車の場合、進行方向右側に天塩川が寄り添う。今きたばかりの道を戻るだけなので、退屈するかと思ったが、それでも往路とは逆側の座席だったため、車窓を楽しんだり案外退屈しなかった。もっとも、途中でウトウトしたが…。都市間輸送の普通列車の旅と異なり、乗換えや座席確保の心配もなく、こうして、1日中ゆったりと特急列車に乗って過ごせるだなんて、本当に贅沢だ。

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名寄以南では線路の規格が良くなるため、速度が上がった。キハ183系は宗谷本線を120km/hで進む。塩狩付近で野生動物が接近したのか、意味深な減速があった。ちょうどその頃、筆者は、時刻表のページを捲り始めていた。というのは、予定では、当日の宿泊地・深川まで乗車する計画だったが、深川ですぐにホテル入りするには時間が早かったので(深川着17:54)、旭川で下車して、駅構内をブラブラして、旭川ラーメンでも啜ってから深川に行こうと考えたのである。

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稚内から3時間48分。“特急サロベツ”は17:33に旭川駅に到着した。新型振子特急とは一味違った、これはこれで印象的な列車だった。

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コメント(2件)

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サロベツとスーパー宗谷足の速さが違いますね…。
サロベツは急行扱いにしたら良いのにね。
としおちゃん
2009/11/23 20:21
としおさん,いつもコメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.
サロベツは…以前は急行だったのですが,キハ183系化に伴い特急に格上げになったんですよね.120km/h運転もされますし,特急として遜色なかったですよ.
ツキだっ!
2009/11/24 20:47

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