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zoom RSS 小田急 優先席にまつわるエトセトラ

<<   作成日時 : 2009/08/26 23:09   >>

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小田急では2009年春より、優先席を車両の上り方から、下り方へと順次変更している(先頭車を除く)。これは、乗り入れ先の東京メトロに合わせるためだ。工事は一斉に行われたわけではないため、変更施工車にはその工法にいくつかの違いが見られる。

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特に、1000系までの車両と異なり、2000系・2054×8以降の車両は、新造時から優先席部分に仕様変更箇所があり、それが故に、今回の位置変更によって、せっかくの優先席部分の特別仕様が無駄になってしまった例も見受けられ、テーマとしては地味ながら、興味深く観察すると、これがなかなか面白い。

そこで、今回は小田急の優先席位置変更に伴う、仕様変更についてまとめてみた。なお、ここで採り上げるのは2000系以降の一般車とし、8000系更新車については、基本的に3000系・4000系と同様なので省略した。なお、いずれの変更も中間車のみで、先頭車については従前のままである。

ちなみに、小田急の貫通扉は、開扉方向が山側に統一されているため、このことを念頭に画像をご覧いただくと、上り方・下り方の判別がしやすいと思われる。

● 2000系

− タイプ1 − (2053×8まで)

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2053×8までは、新造時に優先席に関する特別仕様が為されておらず、今回の優先席位置変更は、すんなり施工出来た。

− タイプ2 − (新優先席部分網棚高さが高いままとなり、旅客サービスが後退した例)

2054×8以降は、優先席部分の網棚と吊り手を低くし、高齢者に配慮していた。そのため、外観からは分かり難いが、優先席部分の内キセは、妻窓を含めて他の部分よりも低くなっている。

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↑ 赤いラインが外観の窓上辺,緑のラインが客室側の窓上辺 このように2054×8以降の優先席部分は,客室側の窓上辺を低くし,網棚の高さを抑えていた ちなみに,水色ライン部分は,優先席ステッカー剥がし痕を示す

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↑ 室内側の優先席周囲の様子 貫通扉窓の上辺を基準にご覧いただくと,2051×8(写真上)と2054×8(写真下)とで,高さが異なるのがお分かりいただけると思う また,両写真を注意深く観察すると,網棚の取り付け高さや非常通報装置の取り付け位置が異なる

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今回の優先席位置変更によって、新優先席部分は、吊り手と座席モケット色別のみに留まった。そのため、優先席でありながら、網棚高さが一般席部分と同様高いままとなり、旅客サービスが後退してしまった。

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一方、旧優先席部分は変更前の低い網棚が存置され、結果、一般席ながら網棚高さが低いという不思議な仕様になっている。デコラや内キセなどの部品は線対称に出来ているようで、時間をかければ、従来と同仕様のまま位置変更が出来ると思われる。


● 3000系

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↑ 3000系2次車以降の標準的な優先席付近の様子 網棚の高さが低く,吊り手もパイプを低くすることで高さを抑えてある

3000系は、新造当初から全編成優先席部分が特別仕様となっていた。今回の優先席位置変更に伴うポイントは、吊り手と握り棒(パイプ)である。

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↑ 矢印部分は優先席ステッカー剥がし痕を示す

なお、網棚については、新設置場所と旧設置場所の部品を入れ替えて対処出来たようで、2000系のように、旅客サービスが後退した部分はない。また、1次車については、未確認である。

− タイプ1(パイプをそのままにした例) −

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3000系は優先席付近の握り棒(パイプ)が低く加工されていた。しかし、今回の優先席位置変更によって、パイプはそのままとし、新優先席部分の吊り手の長さ変更のみ行なった例が、このタイプ1である。

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これに伴い、旧優先席部分のパイプは、一般席ながら低いままとなっている。

− タイプ2(パイプを入れ替えた例) −

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恐らく、車内全体のパイプを天井から外し、車外に持ち出した上で、向きを変えて設置し直したのだろうと思われる例がタイプ2で、車体中央を中心に、線対称に綺麗に入れ替わっている。

結果、上記の各例に見られるような矛盾点がない、スマートな形に仕上がった。このタイプ2による施工車は、妻板のパイプ受け旧部分に覆いが為されており、一般席と優先席部分とのパイプ高さの違いを物語っている。

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↑ 車内のステンレスパイプを入れ替えたことにより,旧受け部分と新受け部分との位置関係が上下逆になり,旧受け部分はいずれもデコラでフタがされてある


● 4000系

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4000系は、ご存知のようにE233系に準じた形式で、車内も優先席部分は、シートモケットや吊り手色のみだけでなく、ご丁寧に床や内キセまで色別されて、優先席であることをアピールしている。この特別仕様が、今回の優先席位置変更では仇となり、優先席部分の仕様を統一出来ない結果を招くこととなった。

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すなわち、新優先席部分は変更後も内キセや床部分の色別が行われていない。床はともかく、他の箇所はもっと徹底した優先席の位置変更が出来そうだが、シートモケットの色と表記類のみの変更で済まされた。きっと,優先席位置変更に伴う部品の取り外し・一時解体箇所が,案外広範囲に及ぶのだろう.

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一方、旧優先席部分は、変更後一般席となり、何ら注意を促す場所ではなくなったにも関わらず、色別が存置される形となった。握り棒の黄色ゴムカバーまで残る,何ともユニークな一般席である.

なお、今年度入線の4058×10は、優先席位置変更後の仕様に合わせた形で入線している。

以上、たかが優先席と思うことなかれ。こうしてまとめてみると、仕様の違いが多いのがお分かりいただけると思う。きっと、当事者は、電気栓や空気配管の向き、将又、工場内の検修などさまざまな部分に影響をもたらすため、現実的ではないのは承知の上で、それでも、出来ることなら編成全体を方転した方が手っ取り早いと思っているに違いない。


↓ “シルバーシート”という言葉も今は使われなくなってしまったが,以前は文字どおりシルバーのモケットで色別していた.小田急ではそれまで,先頭車の妻板側のみの設置で,編成あたり4箇所のみであったが,1990年代に中間車の上り方にもシルバーシートが追加された.追加された部分のシルバーシートは,一部水色にエコーラインの入ったモケットに交換された例もあったが,下写真の2652×6のように,一般席と色別することなく,表記のみの案内で対処していた.

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
優先席のステッカーが貫通扉の左右の窓に張られてるんですね。
けんまる
2009/08/28 00:07
 いつもながら詳しい記事に感心です。何か資料を入手の上で記事を書かれているのですか?それとも各車を見て回って見たことを書かれているのですか?
 それにしても2600系の座席の、暖房機カバーの緑色、チョー懐かしいですねぇ。。
☆みやちん
2009/08/30 05:36
お二人とも,コメントをお寄せ下さり,ありがとうございます.
けんまるさん,東京の私鉄は優先席の表示が案外仰々しいです.関西の人と違って,東京は冷たい人が多いので,優先席であることを大々的にアピールしないと本来の目的が達成できないことが多いからだと思います.
☆みやちんさん,優先席は毎日の通勤時における観察が発端です.
ご覧頂いた2600系の座席蹴込板は2652×6のもので,この編成は最後まで車体更新が施工されなかったので,グリーンの蹴込板が残りました.☆みやちんさんは,蹴込板にご注目いただいたということで,なかなか目の付けどころが鋭いですね.
ツキだっ!
2009/08/30 20:54

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